アコースティックギターは弾き語り、ソロギター、バンドなど幅広い演奏形態で使用される楽器です。自宅環境でも手軽に演奏できる上に、1人で演奏が完結するので、アコースティックギターを使った動画制作も盛んに行われています。
しかし、アコースティックギターはマイキングによって音質が大きく変わるため、キレイに録音することが難しい楽器の1つです。本記事ではアコースティックギターを録音するためのマイキングを音の傾向とあわせて解説していきます。
アコースティックギターのマイキング

アコースティックギターのレコーディングでは、楽器からの直接音を録音するマイクと、部屋の残響音を録音するマイクを設置し、2つの音をミックスすると広がりのある音が得られます。
具体的にはサウンドホールの正面から10cm~20cm離した位置と、ギターから1.2mほど離した位置から収音した音をミックスすると良いでしょう。
以上の点を踏まえて、6種類のマイキングについて特性を解説していきます。

① マイクを20cm離して、サウンドホールの正面に真っ直ぐ向ける
低域が強調された音質になります。イコライザーで低域をカットすると、より自然な音質になります。
② マイクを8cm離して、サウンドホールの正面に真っ直ぐ向ける
低域が非常に強調され、ぼんやりした音質になります。イコライザーで低域をカットする必要がありますが、周囲の不要な音を抑えやすい位置です。
③ マイクを10cm~20cm離して、ブリッジに向ける
ピックや弦からの雑音を抑えられます。暖かく柔らかな音質ですが、細部の情報は少なくなります。
④ マイクを表面板と平行に、上方15cmからブリッジに向ける
自然でバランスの良い音質になります。環境音や周囲の不要な音も抑えやすい位置です。
⑤ サウンドホールの外側に小型マイクを設置する
自然でバランスの良い音質になります。マイクを直接ギターに取り付けるため、演奏者は動き回ることができます。

⑥ サウンドホールの内側に小型マイクを設置する
低域が強調された音質になります。弦からの雑音を抑えられ、ハウリングの恐れも少なくなります。マイクを直接ギターに取り付けるため、演奏者は動き回ることができます。
アコースティックギターの録音に適したマイク

アコースティックギターは音の立ち上がりが鋭く、比較的小さな楽器であるため、コンパクトでピンポイントに音源を狙いやすいペンシル型マイクが適しています。
また、楽器の音を自然かつ滑らかに再現できるコンデンサーマイクであれば、アコースティックギター本来の魅力を忠実に再現することができます。
本章ではおすすめのペンシル型コンデンサーマイクを2本紹介します。
AKG P170

AKG【P170】スティック型マイクロホン
\ヒビノ公式通販でクーポンGET!/
業務用途ならビジネス会員がお得♪
形式 | コンデンサー型 |
指向特性 | カーディオイド |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
開回路感度 | ー36.5dB re 1V/Pa |
インピーダンス | 200Ω以下 |
端子 | XLR(3P) |
寸法(φ×H) | 22×161mm |
質量 | 122g |
付属品 | マイクホルダー |
低ノイズのトランスレス回路を採用し、自然な音質と広いダイナミックレンジを実現したペンシル型マイク AKG P170。1/2インチの小型・軽量ダイヤフラムを搭載したコンパクトなボディで、狙った音をピンポイントに収音できます。
立ち上がりの鋭い音も忠実に再現するため、アコースティックギターの録音にも適したコンデンサーマイクです。
AKG C451 B

AKG【C451 B】スティック型マイクロホン
\ヒビノ公式通販でクーポンGET!/
業務用途ならビジネス会員がお得♪
形式 | コンデンサー型 |
指向特性 | カーディオイド |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
開回路感度 | ー41dB re 1V/Pa |
インピーダンス | 200Ω以下 |
端子 | XLR(3P) |
寸法(φ×H) | 19×160mm |
質量 | 130g |
付属品 | マイクホルダー(SA60) ウインドスクリーン(W90) 特性データシート キャリングハードケース |
優れた音響性能と高い耐久性を兼ね備えた、楽器用マイクの世界標準 AKG C451 B。アコースティックギター、ドラムのハイハットなど立ち上がりの鋭いサウンドに好んで使用されるコンデンサーマイクです。
小型のスリムボディは、設置場所を選ばず、ピンポイントに音源を狙うことができます。
アコースティックギター以外の楽器におけるマイキングについては、関連記事もぜひチェックしてみてください。