マイクの指向性とは?種類や違いについて詳しく解説!

音響機器の基礎知識
音響機器の基礎知識

マイクの指向性とは、音が到来する方向あるいは角度に対する感度の変化を指します。狙った音を収音するためには、指向特性とマイクポジションによる音の変化を理解することが重要です。

コンデンサーマイクには、複数の指向性を切替できる製品も多く存在します。それぞれの指向性について理解を深めることで、1本のマイクでより広い用途に対応することができます。

本記事では、マイクの指向性の種類や特性について解説していきます。

指向性の種類

マイクの指向性は、主に上表の5つが挙げられます。それぞれの特性をまとめると以下のとおりです。

無指向性360°の音を収音。会議の録音などに最適。
カーディオイド正面の音を中心に収音。演奏やスピーチなどによく使用される。
スーパーカーディオイド正面の音を中心に収音。カーディオイドよりもカバーする角度を狭めた指向性。
ハイパーカーディオイド正面の中心に収音。スーパーカーディオイドよりもさらにカバーする角度を狭めた指向性。
双指向性正面と背面の音を収音。対談などに最適。

ここからは各指向性について詳しく解説をしていきます。

無指向性

無指向性のマイクはどの角度からでも同じ感度となり、カバー角度は全方向の360°で環境音を最大限に収音します。そのため、複数人が集まる会議などを録音する場合に適しています。

生演奏のライブサウンドで無指向性マイクを使用する場合は、収音したい音源の極めて近くに設置して、環境音とのバランスが適切になるように調整すると良いでしょう。また、無指向性マイクでは、ハウリングの原因となるPAスピーカーのような不必要な音源から、狙いを外すことができない点にも留意しましょう。

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カーディオイド(単一指向性)

単一指向性のマイクは、ある1つの方向から来る音に対して感度がもっとも高く、他の方向には低い感度を持っています。一般的なのはカーディオイドの特性です。

0°(正面)の感度が最も高く、180°(背面)の感度が最も低くなります。カバー角度は131°でマイク正面から約65°の範囲をカバーするため、左右の音も若干拾います。

カーディオイドのマイクは有効なカバー角度が狭いため、軸外の音は拾いにくく、軸上の音だけを収音し、無指向性マイクの1/3程度しか環境音を収音しません。そのため、ボーカル、スピーチ、楽器の収音など、特定の音のみクリアに収音したい場合に適しています。

カーディオイドのパターンにはいくつかのバリエーションがあります。代表的なものがスーパーカーディオイドハイパーカーディオイドの2つです。

どちらのパターンも正面の収音角度がカーディオイドより狭く、スーパーカーディオイドは115°、ハイパーカーディオイドは105°となります。そのため、カーディオイドと比べて、環境音の混入をより抑えることができます。

一方で、後方からの音の除去性能はカーディオイドが-15~-20dBに対して、スーパーカーディオイドは-12dB、ハイパーカーディオイドは-6dBとなり、カーディオイドと比べて背面の音はある程度収音してしまいます。

そのため、後方からの直接音が大きい環境では、カーディオイドを選択したほうが特定の音のみ収音できる場合があります。

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近接効果

単一指向性(カーディオイドなど)のマイクを使う場合、マイクを音源に近づけるほど(約60cm以内)、低域の感度が増加します。この現象を近接効果と呼びます。

単一指向性のマイクを近接(30cm以内)させる場合は、近接効果による低音増加に注意し、より自然な音を得るためには低域を下げる必要があります。

近接効果を避けるには、以下の方法があります。

  1. イコライザーなどの外部機器で低い周波数を下げる。
  2. 近接効果が最小になるように設計されたマイクを使う。
  3. 低域を下げるスイッチが付いたマイクを使う。
  4. 無指向性のマイクを使う。

もっとも一般的な手法はイコライザーを使用することです。ミキサーなどに装備されているイコライザーで低域を下げることができます。また、レコーディングにおいては録音後にDAW(音楽制作ソフト)のイコライザーを使って、低域を下げることができます。

双指向性

双指向性マイクは0°(正面)と180°(背面)の両方で感度が最高になり、90°(側面)で出力がもっとも低くなる指向性です。

収音角度は、正面、背面ともに約90°となり、環境音はカーディオイドと同様に収音します。

デュエットや対談のように相対する2つの音源を収音するのに適しています。

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