マイクにおける周波数特性表の見方について

音響機器の基礎知識

マイクにおける周波数特性とは、マイクが動作する最も低い周波数から最も高い周波数にかけての、出力レベルまたは感度を指します。そして、周波数を視覚的に見やすく表で一覧化したものを周波数特性表と呼びます。

この周波数特性表は、マイクがどんな用途に適しているかを判断する際に重要な情報となります。本記事では代表的なマイクの周波数特性表を例に、表の見方を解説します。

(本記事は業務用音響機器の通販サイト「FULL-TEN」スタッフの監修でお送りします。)

周波数特性表の構成

周波数特性表は周波数(Hz)を横軸、出力レベル(dB)を縦軸とし、対象となるマイクの周波数特性を表したものです。

横軸の周波数は、人間の聴覚で確認できる範囲と言われる20Hzから20,000Hzまでを対象とするものが一般的であり、縦軸の出力レベルは周波数1kHzでの値を基準(0dB)にしたデシベル(dB)単位の相対レベルを記載しています。

なお、マイクの周波数特性は音の反射が一切起きないように設計された無響室と呼ばれる、音声試験用の部屋で測定されます。

周波数特性表から読み取れること

周波数特性表は、そのマイクの特性をわかりやすく表しています。例えば、すべての周波数で出力が等しいマイクはフラット(平坦)な周波数特性を持っています。

フラットな特性のマイクは通常、周波数帯域が広くなります。こうしたマイクは、元の音を変えたり、色付けしたりすることがないため、さまざまな楽器の収音に適しています。

逆に特定の周波数帯域が突出(ピーク)していたり、落ち込んでいたり(ディップ)する特製のマイクは、形作られた特性であることを表しています。

通常、こうした特性は特定の音源を引き立たせるために設計されたものです。例えば、生演奏で歌声の明瞭度を上げるために、2~8kHzの範囲にピークを持たせることがあります。この特性は、プレゼンスピークと呼ばれています。

また、特定の帯域の感度を下げて設計されたマイクもあります。例えば、低域の周波数特性を下げたマイクは、不必要に強すぎる低域や不要な環境音を最小限に抑える目的で使用されます。

フラットな特性のマイクと形作られた特性のマイクのどちらを選択するかは、収音する音源や音響システム、使用環境によって決まります。

アコースティックギターやピアノなどの楽器を収音する場合、特に高音質の音響システムではフラットな特性のマイクが好まれて使用されます。

また、マイクが音源から数10cm以上離れるようなステレオ収音や、遠隔からの収音にもフラットなマイクがよく使用されます。特性にピークがないので、ハウリングを最小限に抑え、より自然な音質となるのが強みです。

これに対して形作られた特性のマイクは、近接させて歌声を収音したり、存在感を出したりするために強調した特性が有効になる、ドラムやギターアンプなどの特定楽器で好まれて使用されます。収音する楽器の周波数帯域外にある不必要な音や、雑音の混入を減らすのにも有効です。

ボーカルの収音でよく使用される単一指向性のマイクは、音源に近接させることで低域の感度が増加する「近接効果」という現象があります。この近接効果に関しても周波数特性表に記載されることがあります。

上の周波数特性表では、距離別の感度が点線で表記されています。音源に対して、どの程度の距離にマイクを設置するかの参考にしましょう。


FULL-TEN(フルテン)は、マイクやミキサー、プロセッサー、パワーアンプ、スピーカー、ケーブルなどの業務用音響機器を中心としたオンラインストアです。すでに音響の知識をお持ちの方はもちろん、音響機器に不慣れな方にも失敗のないお買い物をしていただけるよう「5つの安心」をご提供します。

【 FULL-TENでのお買い物 5つの安心 】

上場企業「ヒビノ」運営で安心
音響業界で長年の実績がある上場企業「ヒビノ株式会社」が運営しており、安心してご購入いただけます。

事前の購入相談で安心
プロでも頭を悩ませる音響機器選びを、FULL-TENのベテランスタッフがチャットでサポートいたします。

万全のアフターサポートで安心
ご購入いただいた商品の使い方でお困りの際もお気軽にご相談いただけます。

圧倒的な在庫量で安心
自社輸入品は圧倒的な在庫を有しており「すぐ必要!」にお応えします。

「ビジネス会員」で価格も安心
最大30%OFFなど、様々な特典が受けられる「ビジネス会員」制度を用意しています。


\4月末まで新規会員登録キャンペーン実施中!/

タイトルとURLをコピーしました