【ステージの上手/下手とは?】ライブやPAで使われる専門用語について解説!

音響機器の基礎知識

ライブハウスやイベント設営の現場では、さまざまな専門用語が飛び交っています。言葉から意味が想像できる用語もありますが、多くの専門用語は聞いただけでは意味が分からないものがほとんどです。

本記事では、ライブハウスやイベントの現場で、使用頻度の高い専門用語をわかりやすく解説します。

ステージに関する専門用語

まずは、ステージの配置や立ち位置などに関する専門用語を解説します。ステージに関する専門用語は、音楽ライブだけではなく、トークイベント、演劇、番組収録などにも使われているものが多いです。

上手・下手

上手(かみて)、下手(しもて)は、ステージ上の方向を表す専門用語です。客席からステージを見て、右手側が「上手」、左手側が「下手」を指します。

右や左という表現では、ステージに立っている人と、客席から見ている人で向きが反転してしまいます。かといって、毎回「ステージから見て」「客席から見て」という表現を使うのも大変なので、現場では「上手」「下手」でやり取りするのが一般的です。

バミる

「場を見る」という言葉から派生した用語で、ステージ上での立ち位置やアンプ、マイクなどの位置に目印をつけることを指します。目印をつけることで、セッティングや転換をスピーディーに行うことができます。

なお、目印に使うテープは、剝がしやすい養生テープなどを用いるのが一般的です。

サウンドに関する専門用語

次に、ライブハウスやイベント会場で使用されることの多い、サウンドに関する専門用語について解説します。

演者が演奏しやすい環境を作るためには、リハーサルで綿密にやり取りする必要があるため、本章で解説する専門用語はしっかり理解しておきましょう。

外音と中音

外音(そとおと)は観客が聴く音を指し、中音(なかおと)は演奏しているプレイヤーが聴く音(=モニター用の音)を指します。

外音は、音楽として聴きやすいようにバランスを調整しますが、中音は演奏者が演奏しやすい音に調整するため、必ずしもバランスの取れた音でなくても問題はありません。

ライブハウスでは、外音用のメイン・スピーカーと、演奏者用のステージモニターを分けて配置し、外音と中音を区別して音作りすることが多いです。

かえし

ステージ内に設置されたステージモニターのことを指します。「ころがし」などと呼ばれることもあります。

ステージモニターは、演奏者が自身の演奏を聴くために設置されるスピーカーです。ステージ内はさまざまな楽器の音が混在するため、自身の演奏音をリアルタイムで確認するためには、ステージモニターの存在が重要になります。

イヤー・モニター(イヤモニ)

イヤー・モニターは、イヤホンを使用したモニター、もしくはその際に使用するイヤホンそのものを指します。ステージモニターを使用する必要がなくなるため、ハウリングを気にしなくて良くなるというメリットがあります。また、イヤモニ専用のワイヤレスシステムを使用することで、演者がステージ上を自由に動き回れるメリットも得られます。

イヤー・モニターは遮音性に優れており、耳へダイレクトに音を届けられるため、自身の演奏音を確実にモニタリングできる強みから、近年におけるプロのステージではスタンダードになってきています。

リハーサル・スケジュールに関する専門用語

最後は、リハーサルやスケジュールに関する専門用語について解説します。イベントを良いものにするためには、本番さながらの環境でリハーサルを行い、出演者と細かい部分を詰めておくことが重要です。

セットリスト

当日のステージで演奏される曲順を記載した書類を指します。会場によっては、MCを入れる場所、曲の雰囲気、音響や照明へのリクエストなどを書く欄も用意されています。なお、本来の意味から転じて、曲目や曲順そのものを指す場合もあります。

セットリストはPA表、セッティング表と呼ばれることもあり、リハーサルを始める前に記入、提出するのが一般的です。リハーサルでは音響や照明を担当する方が、提出されたセットリストを確認しながら、本番さながらの調整を行います。

順リハと逆リハ

リハーサルを行う順番のことです。それぞれ、下表のようになっています。

順リハ本番と同じ出演順で行うリハーサルのこと
逆リハ本番と逆の出演順で行うリハーサルのこと

ライブハウスなどの現場で採用されることが多いのは、本番と逆の出演順で行う逆リハです。逆リハは、本番でトリを務める方からリハーサルを行い、トップで出演される方が最後にリハーサルを行います。

逆リハの場合、本番でトップになる方が最後にリハーサルを実施するため、リハーサル終了後はセッティングを変えることなく、本番に移行できるメリットがあります。

サウンド・チェック

リハーサルで、各パートのサウンドをチェックすることです。音が正常に鳴るか確認するだけでなく、ステージモニターなどを通して、自身の演奏がどのように聴こえるのかを確認する場でもあります。

ステージモニターで、自身の聴きたい音がきちんと聴こえるかどうかは、演奏のしやすさに大きく影響します。サウンド・チェックでは、入念に演奏環境を確認し、調整するようにしましょう。

ゲネプロ

「通し稽古」という意味を指す言葉で、「ゲネ」と呼ばれることもあります。リハーサルと近い意味の言葉ですが、ゲネプロの場合は演奏だけでなく、衣装や照明なども本番と同じ演出で行われる「最終リハーサル」という意味で使われます。

転換

次の出演者に代わる際などに発生する、バンドの入れ替えのことを指します。バンドの出演時間では、「転換込み〇分」という設定が多いですが、これは入れ替え時間も含めた持ち時間という意味です。

転換に時間を取られてしまうと、演奏できる時間が減ってしまうため、いかにスムーズにセットアップできるかが重要です。演奏が終わったバンドは、次のバンドがすぐにセッティングに取りかかれるように、スムーズにステージから撤収しましょう。

押す、巻く

事前に予定していた時間をオーバーし、スケジュールが後ろにずれ込むことを「押す」と呼びます。逆に、予定時間より早く進行することを「巻く」と呼びます。

関連して、スケジュール通りに進行していることは「オンタイム」と呼びます。

おわりに

本記事では、ライブやイベント設営で使用される専門用語について解説しました。専門用語を理解することも大事ですが、それ以上に大事なことは、スタッフ同士でコミュニケーションをしっかり取ることです。用語だけでなく、わからない点があれば、できるだけその場で質問して解消するようにしましょう。

なお、FULL-TENの運営会社である「ヒビノ株式会社」では、「ヒビノの用語集」として音響・映像・照明・ステージ用語を解説する特設サイトをご用意しています。ぜひこちらもご覧ください。


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