マイクの形状の種類について解説。種類別おすすめ商品についてもご紹介！

一口にマイクと言っても、さまざまな形状の製品が存在します。より良いサウンドを実現するためには、収音する音源や使用する用途によって、異なる形状のマイクを使い分けることが重要です。

本記事では、マイクの形状の種類と使用する場面を詳しく解説します。

ハンドヘルド型（ハンドマイク）

ハンドヘルド型は、手で持って使用するタイプのマイクを指します。一般的にはハンドマイクと呼ばれています。マイクホルダーを使えば、スタンドに固定することも可能です。

マイクの形状は本体上部のマイク・ヘッド、手で持つボディー、マイクケーブルと接続するコネクターの３つで構成されます。

マイク・ヘッド部分には、音の振動を電気信号に変換するダイヤフラムが搭載されており、金属の網で作られたグリルで周囲を保護しています。また、グリルの裏側には薄いウレタン素材のスポンジなどを貼り、ボーカルの息で発生するノイズを抑制する工夫が施されています。

ハンドヘルド型はライブステージなどの過酷な現場で使用されるため、グリルやボディーに頑丈な素材を採用するなど耐久性を重視した製品が多く、衝撃や湿度の変化にも強いです。

また、ライブステージだけではなく、会議、セミナー、結婚式などのイベントから、自宅でのライブ配信やテレワークなど幅広い用途で活用されており、最も日常的に使用されているマイクです。

ハンドヘルド型のおすすめマイク

SHURE SM58-LCE

形式	ダイナミック型
指向特性	カーディオイド
周波数特性	50Hz～15kHz
開回路感度	– 56.0dB re 1V/Pa
インピーダンス	150Ω
端子	XLR(３P)
寸法（φ×H）	51×165mm
質量	310g
付属品	マイクホルダー（A25D） 3/8″→5/8″変換ねじ マイクポーチ

ハンドヘルド型マイクの世界標準となっている、大定番のダイナミックマイク SHURE SM58。

大音量や吹かれにも強く、ボーカルを際立たせるパワー感あふれるサウンドを収音できます。

SM58は厳しい品質試験で耐久性のテストを行っており、激しいライブパフォーマンスにおいても確実に機能する優れた耐久性で世界中のプロフェッショナルから高い支持を受けています。

SHURE PGA58-LC-J

形式	ダイナミック型
指向特性	カーディオイド
周波数特性	50Hz～16kHz
開回路感度	– 55dBV/Pa
インピーダンス	150Ω
端子	XLR(３P)
寸法（φ×H）	55×166mm
質量	294g
付属品	マイクホルダー ポーチ

SHUREによるエントリーモデルのマイクがこちらの PGA58-LC-J。リードボーカル、コーラスのパフォーマンスに適したハンドヘルド型マイクです。

独自のマイクロホンカートリッジデザインを採用し、ボーカルパフォーマンスの周波数帯域でナチュラルなサウンドを収音。加えて、カーディオイド指向特性により不要なノイズを遮断し、音声をクリアに捉えます。

マイク本体には埋め込み型のON/OFFスイッチを搭載し、ステージ上での切替も自在に行えます。安価ながらも、音質や耐久性に優れたプロ品質のダイナミックマイクです。

サイドアドレス型

サイドアドレス型とは、ダイヤフラムが筐体内に垂直に配置されたマイクを指します。ダイヤフラムを垂直に付けることで、マイク径を大きくしなくとも、大型のダイヤフラムを搭載できることが特長です。

ダイヤフラムが大きいと高い感度を得られるため、小さな音や繊細な表現を正確に収音することができます。サイドアドレス型はコンデンサーマイクで採用されることが多く、レコーディングで好んで使用されます。

サイドアドレス型はダイヤフラムが筐体に対して垂直に配置されているため、グリル正面部分が音源の前にくるようにマイクを設置します。

感度が高いためボーカルの息や、パ行などで発生する破裂音を収音することがあります。その場合は唇を少しだけマイクから離すか、ポップノイズを抑制するポップフィルターなどを使用しましょう。

また、マイクを設置する環境によっては床からの振動ノイズを拾うことがあるため、振動を吸収できるショックマウントを使用することも合わせて検討しましょう。

サイドアドレス型のおすすめマイク

AKG C214-Y4

形式	コンデンサー型
指向特性	カーディオイド
周波数特性	20Hz～20kHz
開回路感度	ー34dB re 1V/Pa
インピーダンス	200Ω以下
端子	XLR(３P)
寸法（φ×H）	56×160×43mm
質量	300g
付属品	ショックマウント（H85）、ウインドスクリーン、キャリングハードケース

プロのレコーディングでもよく使用されるC414 XLIIと同等のダイヤフラムを1枚搭載した AKG C214-Y3。上位機種の優れた音質を受け継ぎながらも、機能を限定することで高いコストパフォーマンスを実現したモデルです。4kHz以上が持ち上がったハイ上がりの特性により、他の音源よりも際立たせたいパートの録音に最適です。

AKG P120

形式	コンデンサー型
指向特性	カーディオイド
周波数特性	20Hz～20kHz
開回路感度	-32.5dB re 1V/Pa
インピーダンス	200Ω以下
端子	XLR(３P)
寸法（φ×H）	54×166mm（除突起部）
質量	456g
付属品	スタンドアダプタ―

プロからも信頼が厚いマイクメーカーAKGのサイドアドレス型マイクAKG P120。上位機種の音響性能を受け継ぎながらも、コストパフォーマンスに優れたエントリーモデルです。

本体に内蔵された2/3インチのダイヤフラムは軽量で過渡特性に優れ、リードボーカルやアコースティックギターが奏でる繊細な響きも忠実に再現します。加えて、低ノイズのトランスレス回路を採用し、広いダイナミックレンジを獲得。ナチュラルでクリアな音が収音できます。

スティック型

スティック型とは、スティックのように細い形状のマイクを指します。その形状から、ペンシル型と呼ばれることもあります。

スティック型はサイドアドレス型とは反対に、小さいダイヤフラムが用いられていることが特長です。ダイヤフラムが小さいことで、振動する幅が小さくなり、揺れが止まるまでの時間も短くなります。その結果、空気の振動を正確に電気信号に変換することができ、音の急激な変化を忠実に再現できます。

スティック型のマイクは立ち上がりの鋭い音でも正確に収音できるため、アコースティックギターやドラムのハイハット、シンバルなどによく使用されます。楽器の持つ煌びやかな高音を忠実に再現したい場合に重宝します。

スティック型はコンデンサーマイクで採用されることが多く、ステレオ録音に対応できるステレオペアセットが販売されている製品もあります。

ステレオペアセットは、２本のマイク特性を厳密にマッチングしたステレオ録音に適した製品です。スティック型のステレオペアセットでは、マイクを２本同時に設置できるステレオアームが付属しており、初心者でも簡単にステレオ録音することができます。

スティック型のおすすめマイク

AKG C451 B

形式	コンデンサー型
指向特性	カーディオイド
周波数特性	20Hz～20kHz
開回路感度	ー41dB re 1V/Pa
インピーダンス	200Ω以下
端子	XLR(３P)
寸法（φ×H）	19×160mm
質量	130g
付属品	マイクホルダー（SA60） ウインドスクリーン（W90） 特性データシート キャリングハードケース

優れた音響性能と高い耐久性を兼ね備えた、楽器用マイクの世界標準 AKG C451 B。アコースティックギター、ドラムのハイハットなど立ち上がりの鋭いサウンドに好んで使用されるコンデンサーマイクです。

小型のスリムボディは、設置場所を選ばず、ピンポイントに音源を狙うことができます。

BEHRINGER B-5

形式	コンデンサー型
指向特性	カーディオイド/無指向性（カプセル交換）
周波数特性	20Hz～20kHz
開回路感度	-38dBV、12.6mV/Pa（カーディオイド設定時）
インピーダンス	70Ω
端子	XLR(３P)
寸法（φ×H）	20×120mm
質量	240g
付属品	マイクカプセル(カーディオイド/無指向　各1個) ウインドスクリーン キャリングケース マイクホルダー(3/8インチ→5/8インチ変換ねじ付)

ボーカル用途だけでなく、アコースティック楽器やドラムの収音にも適したスティック型マイク BEHRINGER B-5。金加工を施したダイヤフラムを搭載。コスパに優れたコンデンサーマイクです。

低域歪みとノイズを極限まで抑える電界効果トランジスタを採用し、切替可能な低域ロールオフとパッドを搭載。さまざまな音源や環境に対応できる機能性を備えています。

指向性の異なるカプセルを付属し、交換することでカーディオイドと無指向性を切替可能。1本のマイクで多様な用途に対応できます。